都心にひらく、自分だけの憩いの場。
ある時は、光を取り込む窓辺に。
ある時は、食卓を華やかに彩るテーブルに。
ある時は、風合いの良さを肌で感じるベッドリネンに。
使う場所や⽤途によって、その布の表情はがらりと変わる。
さまざまな⼈びとの暮らしから、〈14-23〉がある⾵景をお届けします。
都内の築48年のマンションをリノベーションした1LDKで暮らす山下竜平さん。いつか手放すことを前提に購入したひとり暮らしの住まいは、賃貸で感じていた不満を一つずつ解消することで、居心地のよさを叶えました。
高層階ならではの開放的な窓辺には、温もりを感じる〈14-23〉を迎え、やわらかな光と風を演出します。海外のアパートメントにインスピレーションを受けた、こだわりの空間を訪ねました。
都心でのひとり暮らしを続けていた山下さんが、住まいを購入しリノベーションを決意したのは2021年末のこと。一人暮らしの住まいの選択肢として、リノベーション住宅は特別なものではなかったそう。
「学生時代、実家を建て直す経験から家づくりに興味を持ちました。社会人になってからは、社員寮や友人とのルームシェア、海外での生活、一人暮らしなど様々な住まいを経て、暮らしやすさを考える機会も多かった。とくに賃貸の家は、不便を感じる部分も多く、自由な間取りで暮らせたらと思い、リノベーションを前提に家を購入しました。」
選んだマンションは、渋谷や新宿にもアクセスがいい駅近の物件。「いずれ手放すことも視野に入れ、資産性のある物件を」と考えたことも、大きな決め手となったといいます。
「リノベーションをするにあたり、ずっと住み続ける前提ではないことを念頭に置いて家づくりを進めました。いずれ転勤やライフステージの変化があると思うので、手放すことを前提に、今の自分にフィットする住まいを実現しました。」
リノベーションのテーマは「気になる点をなくすこと」。生活のリズムを整えることを第一に、これまでの住まいで感じていた違和感を一つずつ解消することにこだわりました。
「例えば、脱衣所に洗面台があるのが嫌だったんです。水回りが一箇所に集まっていると、ゲストが来たときに生活感が出やすい。だから、思い切って洗面台をリビングの一角に独立させました。」
ホテルライクに仕上げた洗面台は、玄関近くに配置することで、帰宅後のスムーズな生活導線を叶えました。
また、一般的なマンションの間取りでよくある「キッチンが壁付けになっていること」にも違和感があったという山下さん。料理をするとき、壁に向かって作業するよりも、リビングを見渡しながらのほうが気分がいい。そこで、部屋の中央にキッチンを配置し、開放感のあるレイアウトに。窓の外の景色を楽しみながら料理するのが、休日の楽しみのひとつだそう。
さらに「廊下をなくす」ことにもこだわりました。限られた空間の中で無駄なスペースを省き、すべてのエリアを機能的に使うことで、ワンルームでありながら広がりのある空間を実現しています。
「リノベーションを依頼したリノベるのプランナーさんは、前例のない設計にかなり苦労したんじゃないかと思います。でも、そのおかげで『自分が心地よい』と思える住まいが完成しました。」
気に入るカーテンがなく、新居の窓には何もかけずに暮らしはじめたという山下さん。〈14-23〉に出会ったのは、新生活がはじまって1年が経った頃でした。
「日当たりの良さが気に入っている部屋だったので、光を遮らず、風を感じるカーテンがほしくて。薄手でナチュラルな〈THIME〉は白い壁ともマッチして、時間帯によってキラキラと輝く布の美しさにも惹かれました。」
ダイニングの窓辺は、日中は光にあわせてラメ糸が輝き、夜は落ち着いた雰囲気に。
高層階で外からの視線も気にならないことから、薄手の布をさらりとかけるだけで必要十分だそう。穏やかなダイニングにぴったりの一枚です。
お気に入りの〈THIME〉は、リビングの窓も優しく飾ります。 光を心地よく取り込み、明るい空間に。
布のやわらかな質感が、木の風合いともマッチします。
強い日差しが差し込む寝室には厚手の布を持ち込んで。〈Re.nen〉のホワイトで穏やかに光を調整します。
縁に施されたネイビーのステッチがアクセント。折り返して使うことで、よりデザインを楽しめます。
清潔感のあるホワイトは、寝室の赤のカーペットとの相性も抜群です。
〈14-23〉を迎えたことで、その存在の心地よさを改めて実感したと言います。
「テカリのある化学繊維の布より、素材の風合いを感じる布が好きです。〈14-23〉のやわらかい質感が部屋全体の雰囲気にもフィットして、角が取れたような優しい空間になった気がします。」
過去に仕事でロシア・モスクワに2年間の滞在経験があり、ヨーロッパ各国を旅していたという山下さん。そこで出会った建築やインテリアが、現在の住まいづくりにも影響を与えているそうです。
「オランダやイギリスの濃い色味を生かしたインテリア、北欧のホテルの雰囲気など、そういったものが自分の好みに影響を与えていると思います。とくに、ロンドンのアパートメントの空間づかいに魅力を感じました。」
機能性を重視した家づくりをベースに、ヨーロッパのホテルライクなデザインで統一感を表現。白壁を基調に、ベニアのような素材感の造作家具で空間を飾ります。赤いカーペットが印象的な寝室は、布で仕切っておこもり感を演出。
さらに印象的なのが、生活導線に沿って配置された床のタイル。ロンドンのアパートメントの内廊下をイメージしたのだそう。
「タイルを床に取り入れることで、エリアごとに空間を切り替えつつ、心地よい動線を意識しました。」
インテリアは、旅先で出会ったアイテムや、アンティーク家具など組み合わせながら、自分なりの落ち着く空間をつくりあげています。
ものが少なく、ミニマルな空間づくりのなかで、カーテンレールのデザインや、光の入り方を計算した照明の配置など、細部にもこだわりが光ります。
「シーンごとに魅せる照明と、空間の邪魔をしないシンプルな照明で使い分けています。夜は明るすぎても落ち着かないので、間接照明で優しく照らす灯りを演出しています。」
布で仕切った上品な寝室が印象的な空間ですが、仕切りの布は例えばこんな風にも活用できます。
カーテンレールのない玄関も、シンプルでデザイン性の高いつっぱり棒〈Tension Rod〉と、〈ディスプレイリング〉を組み合わせれば、気軽に布が迎えられます。
〈ディスプレイリング〉は後から足したり、引いたりできるので、気軽に模様替えも楽しめます。
間仕切りとして提案するのは〈BAUMKUCHEN VOILE〉。濃淡のブラウンとグレーのラインの落ち着く色の組み合わせは、どんな空間にもとけこみやすいので、取り入れやすい一枚です。
プライバシーをやんわり遮るだけでなく、冬は隙間風を防ぐのにも活躍します。機能面だけでなく、インテリアも楽しめるのが、間仕切りとして〈14-23〉を迎える良さのひとつです。
いつもと雰囲気を変えて、リビングの窓辺に新たにご提案したのは、しなやかで軽やかな厚手の〈Sina〉のナチュラル。
夕暮れのような安心感のある光を演出します。季節や気分で窓辺の景色を自由にスタイリングできるのも、〈14-23〉の魅力のひとつです。
「次は、まったく別の家を作ってみたいですね。」
山下さんにとって、住まいは「一生に一度の買い物」ではなく、「つくり、暮らし、そして次へつなぐもの」。ライフステージに合わせた家づくりを、今後も楽しんでいきたいと話します。
「壁の色を変えてみるのもいいかもしれないし、もっと素材感のあるものを取り入れるのも面白そう。戸建ての家づくりにも挑戦してみたいです。」
環境の変化にしなやかに順応しながら、暮らしの形を描く。この家を手放すとき、次なる住まいへどんな思いを託すのでしょうか。
14-23 BAUMKUCHEN VOILE (BR)
リネンとポリエステルの糸をバランスよく混ぜ合わせ、軽くて心地よい光を取り込むしなやかなテキスタイル。
8,800円(税込9,680円)
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