ヴィンテージ家具が主役の、メリハリのある生活空間。
ある時は、光を取り込む窓辺に。
ある時は、食卓を華やかに彩るテーブルに。
ある時は、風合いの良さを肌で感じるベッドリネンに。
使う場所や⽤途によって、その布の表情はがらりと変わる。
さまざまな⼈びとの暮らしから、〈14-23〉がある⾵景をお届けします。
整理収納アドバイザーとして活躍し、夫と娘の三人で都内のマンションで暮らす能登屋英里さん。8年前、入居のタイミングでリノベした52平米の空間で、おしゃれで心地いい暮らしを探るなか、出会ったのが機能性とインテリア性を両立する〈14-23〉。クールな印象の空間に迎えた色鮮やかな布が、暮らしの新たな一面を引き出します。
整理収納アドバイザーやビジュアルコンサルタント、またインテリア・リノベーションアドバイザーとして、暮らしを起点とする様々なシーンで活躍する能登屋さん。SNSでの自身の住まいにまつわる発信を中心に、自分らしさを表現しながらも、快適な空間づくりを提案しています。
そんな能登屋さんですが、もともとはインテリア業界ではなく、長らくアパレルの世界で活躍していました。
「新卒でUNIQLOに入社してから、しばらくは店長として店舗に立っていましたが、在庫管理や人材育成よりも、ディスプレイや売り場づくりを楽しむ自分に気が付きました。大規模なディスプレイチームを発足するタイミングで、本社に移り、数年後ニューヨーク旗艦店立ち上げの担当を任されました。そこで、現地のディスプレイチームの仕事に圧倒され、ファッション業界の最先端で学び直すためニューヨークへの留学を決めました。」
ニューヨークへの留学後、パリでもディスプレイスキルを磨き、また異国の生活のなかで、身の回りのものとの向き合い方にも変化がでてきたといいます。
「好きなスタイルが定まらず、ちぐはぐなインテリアで生活をしていましたが、海外渡航をきっかけに持ち物をすべてリセット。何もないところから、ものを吟味して迎えるようになったことで、次第に暮らしに統一感が生まれました。」
さらに、現在のスタイルにつながるきっかけとなったのが、フィンランドへの一人旅の経験でした。
「アアルト邸へ訪れたことで、近代的なものより、60年代の北欧の雰囲気が好きだと実感しました。その後、北欧のエッセンスを暮らしに取り入れるようになり、今に至るまで家づくりに大きく影響しています。」
帰国後、結婚して二人暮らしになった能登屋さんは、アパレルの仕事の傍ら、家づくりに没頭していきます。当時は現在のテイストとは異なる、白を基調としたナチュラルテイストの空間で暮らしていました。
「その家も気に入っていたんですけど、アルテック社のイルマリ・タピオヴァーラデザインのダイニングセットを迎えたことで、それに合う住まいを思い描くようになったんです。ヴィンテージの家具は、明るい家では浮いてしまう。だったら家を購入するタイミングで、インテリアも一新しようと考えました。」
そうして出会ったのが現在の住まいです。リノベーション前提で選んだ築50年のマンションの一室は、決して広くはないけれど、角部屋で窓が多く、見晴らしの良さが気に入りました。
「以前の住まいから持ち込んだのは、このダイニングセットくらい。これを基準に、空間のテイストを決めていきました。メインの色味は、黒や焦茶。アイアンの素材も自分の中でブームになっていたこともあり、全体的にクールな世界観を作り込んでいきました。」
北欧テイストを残した寝室、パリの3点ユニットをイメージしたサニタリールーム、メインルームの主役であるキッチンはアメリカンなタイルが印象的。暮らしのシーンごとに、海外で過ごした記憶を感じる自由な空間づくりを楽しみます。
日本へ戻ってきてから約10年間所属していたエストネーションでは、店舗のウィンドウディスプレイのほか、店内装飾全般を担当していたという能登屋さん。アパレル業界で働くかたわら「整理収納アドバイザー」を取得すると、仕事で得た知識や技術を、生活空間にも落とし込むようになりました。
「もともと整理整頓は得意な方でした。そこへ、ディスプレイの仕事で大切にしていた、“機能的に使いやすい収納を考える”ことや、“インテリアの力でわくわくする空間づくり”が、自身の暮らしにも反映されていきました。資格を得たことで、暮らしのスタイリングの知識もつき、徐々にアパレルから、暮らしの方へシフトしていったんです。」
ただ空間をおしゃれに飾るだけでなく、生活導線から考えた過ごしやすい家づくりを考える。生活に沿った「整理収納」は、能登屋さんが考える心地いい暮らしをつくるために重要なテーマのひとつです。
「例えば、一般的な賃貸だと、よく寝室にクローゼットがついていますよね。便利なように見えて、実はクローゼットの前に物が置けないので、空間にデットスペースが生まれてしまいます。だったらクローゼットとして独立させた部屋をつくり、扉をつけないことで、空間を有効活用することができます。」
さらに、備え付けの収納は最低限にし、生活スタイルの変化に合わせてフレキシブルに対応できるよう、置き家具で収納スペースを確保。使う頻度の高いものは、カゴやバッグにしまってすぐに取り出せる位置に。
ウォークインクローゼットの入り口に取り入れるのは、リサイクル生地でつくる厚手の〈BAUMKUCHEN〉のグレー。肌触りのいい衣服を思わせる、しっとりとやわらかい手触り。光は感じるので、誰か使用している場合は気づきやすく、お着替えなどをしても透けて見えることはないので安心です。
「家具はなるべく背の高いものは置かずに、暮らしの重心は低めに設定。絵やグリーンなど、見せ場をつくることで、そこに視線が集中し、空間に奥行きが生まれます。ちょっとした工夫で、コンパクトな空間でも広く見せることができるんです。」
2019年、能登屋さんは17年携わったアパレル業界を離れ、フリーランスへ転身します。整理収納アドバイザーとして、個人宅への訪問を続け、さまざまな住まいの課題と向き合うなかで、気がかりに思うことがありました。
「サイズの合わないカーテンをつけている家庭が多く、せっかく素敵なインテリアなのに、惜しい気持ちになることがよくありました。賃貸だと家ごとに窓のサイズが変わるから、つい寸足らずのままやり過ごしてしまうんですよね。そんなモヤモヤを解決してくれたのが、〈14-23〉でした。」
Instagramで偶然知ったという〈14-23〉は、1枚の布で出来ているため、窓のサイズに合わせて折って長さを調整しクリップでとめるだけ。気軽に模様替えができることも魅力だったそう。
「ちょうど自宅近くに事務所を借りたばかりだったので、そこに使うカーテンとして購入したのがきっかけです。カーテンだけでなく、仕切りに使うこともでき、実用性の高さも気に入りました。」
暮らしに取り入れる様子を自身のInstagram「@eiriyyy_interior」にアップしたところ、すぐさま人気投稿のひとつに。自宅とはまたちがう、清潔感のあるシンプルなインテリアに〈Re.nen〉のナチュラルが優しく寄り添います。
さらに今回は新たに、初夏を飾る鮮やかな〈14-23〉を持ち込んでみました。クールな世界観へ、色とりどりな布が新たな一面をもたらします。
リビングの窓辺に取り入れたのは、軽やかな〈TOSS〉シリーズ。視線が気にならない高さということから、心地よく光を取り込む薄手の素材をセレクトしました。
空間にカラーの布を取り入れることは、難易度が高く感じやすいですが、ベーシックで安定感のあるネイビーを1枚入れることで、色が浮くことなく空間に馴染みバランスよくまとまります。
同じワンルーム内、グリーンを多く飾っているキッチンサイドの窓辺には〈THIME〉と〈BAUMKUCHEN VOILE〉のナチュラルを。片方を同色系の無地にすることで、カジュアルな横ストライプが、ほどよいアクセントとなって空間に溶け込みます。
また、マグネットがついたタッセル〈リュバン〉のアイボリーで、布を軽やかにたくし上げることで、お気に入りのグリーンにも太陽のエネルギーが届き、生き生きと育ちます。
お気に入りのテーブルを照らすのは、窓辺と同じ生地を使った〈BAUMKUCHEN VOILE〉のナチュラルのランプシェード。ファブリックの透ける素材感が、軽やかにダイニングを飾ります。
同じストライプ生地がリンクするスタイリングで、クールな印象の空間にやわらかさが生まれました。
窓辺だけではなく、空間を仕切るアイテムとしても〈14-23〉は役立ちます。
玄関から入ってすぐキッチンという間取りということもあり、断熱や目隠しとして、今年の冬から〈Re.nen〉のミントを活用。「冬場の肌寒さが軽減されました。色味もかわいく、インテリアとしてもいい存在感を放っています。」
淡いピンクのグラデーションが美しい〈from earth〉シリーズのSORAは、サニタリールームへ。水回りのまとまったホテルライクな空間に、アートとしても楽しめる布で遊び心をプラス。
「自分では選ばないような色の組み合わせや、取り入れ方など、新しい発見がたくさんありました。単体だと浮いてしまいそうな華やかなカラーも、ベーシックなものと合わせれば、意外なほど暮らしに馴染む。1枚の布だからこそ、ほかにはない自由な組み合わせを楽しめるのが新鮮でした。」
住まいの新たな一面を引き出す、美しく実用的な暮らしの布。季節に合わせてさらりと1枚迎えてみれば、自分らしく快適な住まいにきっと近づくはず。
14-23 TOSS (YE/MNT)
リネンとポリエステルの糸をバランスよく混ぜ合わせ、軽くて心地よい光を取り込むしなやかなテキスタイル。
10,800円(税込11,880円)
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