ポートランドに魅せられた、暮らしのコックピット。
ある時は、光を取り込む窓辺に。
ある時は、食卓を華やかに彩るテーブルに。
ある時は、風合いの良さを肌で感じるベッドリネンに。
使う場所や⽤途によって、その布の表情はがらりと変わる。
さまざまな⼈びとの暮らしから、〈14-23〉がある⾵景をお届けします。
お部屋の写真家として、国内外のさまざまな人の暮らしのシーンを撮る大坪侑史さん。パートナーの友里絵さんとの結婚を機に、将来を見据えた自分たちの住まいについて考えるようになり、行き着いたのはマンションリノベ。
アメリカ・ポートランドでの生活で出会った、カフェスタイルを再現し、カウンターが主役の住まいが完成しました。木の温もりが生かされた空間に、〈14-23〉をアクセントとして迎え、暮らしに彩りを添えます。
九州で生まれた侑史さんは、関西の大学へ進学。20歳の頃、アメリカ・ポートランドで日々を過ごします。
「当時のポートランドは、日本のさまざまな雑誌で特集が組まれるくらい、注目される街でした。そんなこともあり、日本人向けに情報発信するメディアをつくろうと、仲間内でウェブマガジンを立ち上げたんです。」
人気のカフェやショップを巡り、インタビューと撮影をこなす。取材先での一人二役の立ち回りは、この頃から築かれていきました。
当時、プライベートでも足繁く通っていたというのが、コーヒーショップ「Coava Coffee Roasters」。味だけでなく、倉庫をリノベーションした空間づくりに衝撃を受けたそう。
帰国後、改めてカメラを手に取ると、カメラマンとして活動をスタートさせました。
順調にキャリアを重ね、今後撮影していく写真のテーマを考え始めた頃、自宅取材の依頼が舞い込んできます。
家族で暮らす戸建ての家から、工夫が生きる一人暮らしの部屋まで、さまざまな暮らしのシーンを切り取り、住み手の思いを引き出していきました。
自身のインスタグラムアカウントにて、その様子をアップするようになると、自宅取材の依頼は少しずつ増えていきます。
そして現在、「お部屋の写真家」として、1日1話住まいと暮らしの物語を届ける侑史さん。国内外旅をしながら、さまざまな人の暮らしに触れるうち、自身の暮らしについても向き合うようになっていきました。
「もともと、蔵前の賃貸のマンションで暮らしていました。すごく気に入っている街でしたが、結婚を機に、将来を見据えた住まいについて考えるように。マンションを購入しようか悩んでいる時に、後押しになったのが、関西に本社を置くリノベーション会社〈SCHOOL BUS〉の存在でした。」
関西での撮影で、心惹かれる住まいの多くに共通していたのが、〈SCHOOL BUS〉でリノベーションをしていたことでした。そして、大坪さんご夫婦が物件探しを始めたタイミングで、気になっていたリノベーション会社の東京進出が決まりました。
半年間にわたる物件探しの末、ようやく見つけたのは、友里絵さんの実家からほど近い、マンションです。日当たりがよく、LDKが広くとれるのも、決め手になりました。
念願の住まいが完成したのは、今年9月のこと。部屋の顔となるラウンドカウンターは、侑史さんが憧れたコーヒーショップ〈Coava Coffee Roasters〉からインスピレーションを得たデザインです。
カフェのような空間を演出し、お酒やコーヒーを楽しむ休憩スポットとしても、作業スペースとしても大活躍。
「カウンターの立ち上がりや、連動する天井の意匠など、僕たちの希望を、職人さんが丁寧な技で形にしてくれました。」
機能面では本来必要のない装飾もあえて取り入れることで、憧れの空間を思わせる存在感のあるカウンターが完成しました。
合わせる照明には〈POINT NO.39〉をセレクト。クラシカルなテイストがカウンターをより上品で洗練された雰囲気に引き立てます。
カウンターのラウンドは、廊下のディスプレイスペースとも連動させ、暮らしに一体感を表現。
さらに壁の一部にガラスブロックを取り入れることで、窓のない廊下も明るく照らします。
新生活をスタートさせたばかりの2人は、今まさに家づくりの最中。住まいや夫婦の暮らしに馴染むアイテムを少しずつ集めています。
お気に入りのスツールもそのひとつ。高さを自由に変えられるので、カウンターに合わせたり、観葉植物のスタンドとして、自由なシーンに寄り添います。
濃いブラウンの木材の色合いで揃えた温かな空間には、布やグリーンを持ち込み、色味をプラス。
新居を彩る「暮らしの布」として、シーンごとにフィットする〈14-23〉を選んでいただきました。
白い壁のアクセントになるように、窓辺にはあえて明るいカラーをセレクト。
カウンター横に位置するダイニングは、日中は簡易的な作業ができるスペースとして、夜は夫婦で食事を囲む食卓として暮らしに寄り添います。
窓には厚手の〈Re.nen〉と薄手の〈TOSS〉を組み合わせ、お気に入りのダイニングを賑やかに彩ります。
「カラーが入ることで、空間が一気に明るくなりました。生地の質感がよく、窓辺で揺れる様子や、開ける時の軽やかな所作も気に入っています。」
日中は軽やかな〈TOSS〉のホワイトで、明るい光を空間に優しく取り入れます。
写真の仕事に影響が出ないよう、カラーではなくホワイトをセレクト。〈14-23〉を横向きにかければ、腰高窓や出窓にもフィットします。
夜のリラックスタイムには、天然素材でやわらかな質感を持つ〈Re.nen〉を重ねることで、落ち着いた空間を演出。
イエローとナチュラル、左右で異なるカラーを楽しめるのも〈14-23〉の特徴です。ベーシックカラーのナチュラルを組み合わせることで、アクセントとして引き立てつつも、自然と空間により馴染みます。
自然なナチュラルカラーは、白い壁や木の質感とも相性がいいので、はじめての一枚としてもおすすめです。
木片を組み合わせてつくるパーケットフローリングが印象的な、温かみのあるリビング。
窓辺には、透け感のある薄手を2枚重ね、優しいカラーで存在感のある窓辺に仕上げました。カーテンボックスを天井に設置することで、窓周りをすっきり見せ、空間をより開放的に感じさせます。
リサイクル素材を使った、丈夫でやわらかな〈KUFU〉は、侑史さんの一目惚れで選んだ1枚。
光の加減で、赤やピンクに表情を変える優しいカラーは、日々の疲れをほんのり癒す、穏やかな景色をつくります。
手前には、ナチュラルでマットな糸にシルバーの糸を織り込んだ〈THIME〉をセレクト。
日中はナチュラルな印象ですが、夜はお部屋の明かりに反射してきらきらと美しい輝きを見せてくれます。シンプルでどんな空間にも馴染む使い勝手のよい1枚です。
「時間帯によって、いろんな表情を見せてくれる窓辺を楽しんでいます。」
透け感のある薄手の布は、2枚重ねて使うことで、外からの視線もしっかり遮ってくれます。日中カーテンを閉めたままでも、光をほどよく取り込み、さらに空間に軽やかさを与えます。
腰高窓には、〈MERCI〉を横向きでかけます。うっすらと浮かび上がるストライプは、遊び心を持たせつつも、カジュアルで親しみやすい印象に。
さらに今回、リビングの窓辺へ新たなご提案として、新作の〈Sina〉をかけさせていただきました。
視線や紫外線を遮る高密度のしなやかで軽やかな厚手の布です。
このデザインを実現するために最も適した糸種は細い糸番手で、短い繊維をつないでいく、短繊維のポリエステルでした。
短繊維ポリエステルの特徴は、糸の太さが不均一のため、シルクのようなネップやスラブが、生地に心地良く現れることでもあります。
カラーは1年を通して暮らしの基本となるオフホワイトとナチュラルの2色。オフホワイトは空間をすっきりと美しくまとめ、ナチュラルは優しく穏やかな空気をまといます。
「布を掛け替えるだけで、いつもの風景ががらりと変わって新鮮でした。 クリップでとめるだけなので、気軽に洗濯したり、模様替えを楽しめる自由さも、14-23を選んでよかった点です。」
造作収納は必要最低限。足りない収納はカウンターに合う、ヴィンテージアイテムで揃えていく予定だと話す侑史さん。
柔軟な空間づくりを叶えるのは、収納家具選びだけではありません。空間の仕切りとしても、〈14-23〉は活躍します。
玄関の前に設けたのは、大容量のウォークインクローゼット。
「仕事道具であるカメラ機材も、玄関近くにまとめて収納することで、出張時の準備も快適になりました。」
生活感が出やすい収納スペースの目隠しとして使うのは、ダイニングと同じ〈Re.nen〉シリーズのミント。玄関タイルとの相性も抜群です。
お気に入りのグリーンで統一した空間は、おでかけの時も、帰ってくる時も、明るい気分にさせてくれます。
レールがないシーンで〈14-23〉を迎えたい時におすすめするのが、突っ張り棒の〈DRAW A LINE〉です。
シンプルで洗練されたデザインは、インテリアを邪魔せず、空間を引き立てます。
〈ディスプレイリング〉は、突っ張り棒を設置した後からでも付けることができるので、季節や気分に合わせて、気軽に布を掛け替えられます。
「引っ越してから、光や風を感じやすくなりました。リビングだけでなく、カウンター、ダイニング、玄関のウォークイン、それぞれで過ごす時間が心地いい。暮らしのなかでいくつも寛げる居場所があることは、とても豊かだと感じています。」
暮らしの写真を撮るなかで、「住まいは、住み手の作品」と気づいたと話す大坪さん。
日常生活での発見、旅先でみた風景、仕事で出会ったモノや人。さまざまな思い出の欠片を編集し、暮らしに反映していきます。
ドアを開け、シャッターを切る。暮らしを覗けば、人生が見えてくる。