暮らしのまんなかに、家族の気配を。
ある時は、光を取り込む窓辺に。
ある時は、食卓を華やかに彩るテーブルに。
ある時は、風合いの良さを肌で感じるベッドリネンに。
使う場所や⽤途によって、その布の表情はがらりと変わる。
さまざまな⼈びとの暮らしから、〈14-23〉がある⾵景をお届けします。
神奈川県横浜市にてふたりの息子と暮らす三宅朝成さん・昌恵さんご夫婦は、これまでに2度のマンションリノベを経験しました。1年前から暮らす現在のマンションは、100平米の広さが魅力。
壁の代わりに〈14-23〉を間仕切りとして導入することで、子供の成長に合わせて変化できる、自由な空間に仕上げました。2度目のリノベーションだからこそ叶えられた、家族それぞれが心地よく過ごせる、家づくりのアイディアをうかがいました。
「もともと、すべてが整った新築よりも、古い建物の味わいを活かしたリノベーションの方が、自分たちに合っていると感じていました。ただ、10年前の当時はリノベもまだ一般的ではなく、要望をどこまで伝えていいのかも手探り。設計士さんにお任せする部分も多く、気づいたらお風呂の扉がガラス張りになっていたことも(笑)」(昌恵さん)
“最初で最後”のつもりだったリノベーション。しかし、子どもたちが成長するにつれて、いつしか暮らしに窮屈さを感じるようになっていました。
「もう少し広い物件を探そうと、同じ小学校区内でいいマンションを見つけました。ずっと狙っていてやっと空きがでたのが2年後。そして去年の春、ようやく念願叶っての今の家に引っ越すことができました。」(昌恵さん)
理想の住まいに選んだのは、100平米の広さを持つ空間。昌恵さんの要望もあって、壁はなるべく剥がしたままの状態で使うことにしたそう。ペンキ跡が残る天井は、壁にあわせグレーに。
「前の家で諦めたことを、今度こそ全部実現したかったんです」と、昌恵さん。10年の時を経て、理想の暮らしをかたちにするリノベーションがはじまりました。
床は木の風合いを感じるパーケットフローリングを採用。天井のライトや壁のスイッチもひとつひとつ、自分でセレクトしていきました。
新生活でこだわったのは、内装やインテリアだけではありません。ランドリールームや洗面台などの水回りも贅沢に空間を確保。
「子どもたちの泥汚れがひどい衣服を分けて洗えるように、洗面台と別に新たに洗濯用のシンクも設けています。ランドリーからクローゼットまでの家事動線も考えて設計したおかげで、家事の時間も短縮されました。」
さらに、朝の時間の混雑を考え、洗面台はL字に設計。棚や鏡はスチールで統一し、シックな印象に仕上がりました。
暮らしのメインとなる空間には、リビング、ダイニング、キッチンそして寝室が一同に集まります。
子どもたちが成長するにつれて必要な空間も変わっていくことから、寝室やリビングを仕切らずに、〈14-23〉でゆるやかに区切るスタイルを選びました。
季節や気分によって気軽に入れ替えができるのも、 ワンサイズである〈14-23〉ならでは。環境の変化に応じて、自由に間取りを変更することができます。
「家族の気配を感じる住まいにしたかったので、空間を仕切りながらも、光や風を感じられる布という素材は、すごく気に入っています。」(昌恵さん)
こだわりのダイニングのパントリーは、〈Re.nen〉のキャロットで鮮やかに飾り、空間のアクセントに。生活感は隠しつつも、圧迫感なく、家事動線を確保。
素材もカラーも異なる布を多様しながらも、やわらかな布の質感が空間を心地よくまとめます。
廊下とメインルームの間仕切りに使う〈SEIRO〉は、昌恵さんのとくにお気に入りの一枚。
「ほどよく透ける質感で、人の気配を感じつつ、冷暖房の効果も高めてくれるので、機能的にもインテンリアとしても、すごく役立っています。」
さらに、リビングダイニングと同じ空間に設けた寝室には、曲線レールを取り付けて布で仕切ることで、おこもり空間を演出します。
天然素材のリネンとシルクでつくる〈KINU〉は、やわらかく温かみのある素材感で、寝室でのご使用にぴったり。布で囲まれた空間は、心地いい眠りへ誘います。
「21時には家族が先に就寝していることが多く、それからお皿を洗ったり洗濯を干したり、自分の分の家事を済ませています。」と、朝成さん。布を閉じれば、寝室に光が漏れることもなく、気兼ねなく一日の後片付けを終えられるのだとか。
ダイニングには、もともと使っていたテーブルを手放し、新たにカウンターを導入。コの字に広がる大胆なデザインは、家族が自然と集まりたくなる、暮らしのハブのような存在です。
「以前はアイランドキッチンで、作った料理をいちいち運ばなければならなかったんです。今回は“作ってすぐ出せる”ことを意識して、ダイニングとキッチン作業台をつなげてくださいとお願いしたところ、このカウンターを提案していただきました。」
調理スペースも広くなり、家事のしやすさは格段にアップ。「料理は得意じゃないんですけど(笑)、キッチンがお気に入りの空間になってからは、器選びやインテリアで気分を上げながらがんばれています。」と昌恵さんは笑います。
暮らしの中心にあるカウンターは、食事や作業のためだけでなく、家族の気配を感じつつ、それぞれが過ごす時間をシェアできる。そんな家族との“ちょうどいい距離感”を叶えてくれました。
空間の随所に、昌恵さんが長年好んできた“素材感”が息づいています。
学生時代から毎年のように益子の陶器市に通っていたという昌恵さん。選ぶのはいつも、マットな質感の器ばかり。「つるつるの白よりも、ざらっとした土の風合いが好きなんです。」と言います。
「器からはじまって、気づいたら家具や雑貨も“素材で選ぶ”ようになっていました。今回の住まいでは、グレーをベースにアイアンやコンクリートの質感を大切にしつつ、北欧の木の家具や、カラフルな布を合わせて、やわらかい印象になるよう意識しました。」
家具は北欧ヴィンテージショップで選び、リビングにあるウェグナーのソファは、布の色を自分好みに張り替えてもらったもの。ソファ背面には背面も美しい収納棚を選び、薬や書類、日用品など生活感のあるアイテムをすっきり収めています。
その“素材を楽しむ”視点は、〈14-23〉の布使いにも表れています。
メインの部屋にとどまらず、家の各所で布を選び、レールを取りつけ、暮らしにフィットする形で取り入れています。お掃除ロボットが通れるようわずかな隙間を設けるなど、実用面も抜かりありません。
たとえば、玄関わきのオープンクローゼットには、軽やかな〈TOSS〉のイエローを。
満開のミモザから着想を得たカラーで、家を出るときにふと目に入る明るさが、気分を上げてくれます。
洗面所の間仕切りには、同じ〈TOSS〉のグレーをセレクト。 色が変わるだけで、玄関とはまた違う落ち着いた雰囲気に。
一日の始まりと終わりを過ごす場所には、他の場所よりも落ち着いたカラーを選ぶことで、 一息つく空間を演出。薄手ながらも布で仕切ることで、安心感が生まれ、家族間のプライバシーも守られます。
「色や素材って、目にするだけで心が整うこともありますよね。日々の気分に寄り添ってくれる布の存在は、思っていた以上に大きいと感じます。」(昌恵さん)
三宅さん一家は、全員がインドア派。お休みの日には、お気に入りのお茶とおやつを楽しんだり、映画を観ながらくつろいだり、家のなかでの時間をそれぞれ大切にしているそう。
「このハンモックは、次男が希望して購入した〈the Hammock〉のもの。オレンジのカラーが空間のアクセントにもなっていて、私自身もお気に入りのひとつになりました。」と、昌恵さん。
明るい窓辺には、インナーバルコニーを設け、家にいながら植物との触れ合いを楽しんでいます。
「以前の住まいでは床が濡れてしまうのが気掛かりで、せっかく取り入れた観葉植物もベランダへ置くことも多かったですが、窓辺の床材をタイルに切り替えることで、好きな植物を暮らしに持ち込むことが叶いました。」
今回どうしても取り入れたかったというガラス扉は、子ども部屋の入り口に。併設したデスクは、子どもたちの勉強スペースや、朝成さんのワークスペースとしても活用しているそう。
ガラス扉の内側には、〈14-23〉の布を吊るすことで、光や視線の調整が可能に。
「家族の気配を感じたい時は布を開けて、集中したい時は閉じて仕切る。そんなふうに自由に調整できるのがとてもいいですね。質感の違う布を2枚並べて使う提案もいただいて、自分たちでは思いつかなかった組み合わせを楽しめています。」(朝成さん)
子ども部屋には、リビングの寝室と同じく、ベッド周りにぐるりとカーテンレールを設置しています。 3枚の〈Ahaha〉の上下を交互に変えて飾ることで、遊び心のある演出を。
布の端材部分や糸をリサイクルしてつくる〈Ahaha〉。厚手で優しい質感は、布を閉め切っても圧迫感なく、穏やかな心地が続きます。
今回のリノベーションを「最後のリノベ」と位置づけていた三宅さんご夫婦。けれどその言葉の裏には、“終わり”ではなく、“これからの暮らしを楽しむためのスタート”という想いが込められています。
子どもたちが巣立ったあとの暮らしまでを見据え、間取りにも使い方にも余白を残した住まい。時間とともに馴染み、風合いを増す素材を選びながら、描いたのは「これからも変化し続けられる家」。
「変化する家族の形にあわせて、これからも続く家づくりが楽しみです。」と、ふたりは語ります。
暮らしのまんなかに、家族の気配を残しつつ。100平米の自由な空間は、これからも静かに、しなやかに、育っていきます。
14-23 Ahaha
上質な風合いと落ち着いたトーンが、空間に静かな美しさを添えるテキスタイル。
※ 2025年 5月よりベース生地が変更になりました。ご注意ください。
12,800円(税込14,080円)
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