彩りを重ねる、キャンバスのような家。
ある時は、光を取り込む窓辺に。
ある時は、食卓を華やかに彩るテーブルに。
ある時は、風合いの良さを肌で感じるベッドリネンに。
使う場所や⽤途によって、その布の表情はがらりと変わる。
さまざまな⼈びとの暮らしから、〈14-23〉がある⾵景をお届けします。
大きな窓から差し込む光が、家のすみずみまで巡っていく。窓を開ければ、心地よい風がふわりと吹き込む。今回は、長野・松本にて、無印良品の「木の家」で新たな暮らしをはじめたばかりの、相澤一貴さん・明菜さんご夫婦を訪ねました。
真っ白なキャンバスに彩りを重ねるように、自由な間取りに〈14-23〉の布を取り入れ、軽やかに暮らしを描いていく。完成したばかりの新居にお邪魔し、家族の今とこれからについてお話をうかがいました。
相澤さん家族が松本での暮らしを選んだのは、コロナ禍で働き方が大きく変わったことがきっかけでした。
「東京に暮らしていた頃、マンションを購入してリノベーションしようかという話も出ていました。まだ小さかった長男を連れて見学に行ったけれど、景色も含めて、なかなかピンとくる物件がなかったんです。」(明菜さん)
次男が生まれたタイミングで、明菜さんの仕事が完全リモートに移行し、東京で暮らし続ける理由がなくなったことで、地元・長野県での生活を考え始めました。
「長男が小学校に上がるタイミングでもあったので、自然が近くて文化的な施設にもアクセスしやすい場所がいいねと話していました。そんなとき、夫の転職先が松本に決まったことも後押しになりました。」(明菜さん)
2023年1月、雪の舞う中での引っ越しは、慌ただしい幕開けに。まずは平屋の賃貸で暮らしを始め、子どもが走り回れる戸建ての良さを実感したといいます。
やがて、本格的に土地探しを始め、家族がのびのびと過ごせる新築の一軒家での生活を思い描くようになっていきます。
新築を建てるにあたって、当初は全館床暖房を備えた住まいを検討していた相澤さん夫婦。しかし、10年、20年先に訪れる設備の劣化や買い替えの負担が気がかり。次第に「大げさな設備に頼らず、家はできるだけシンプルにしたい」という気持ちが大きくなっていきました。
そんなとき、同じ長野県で「無印良品の家」に暮らす人の話を耳にし、長野市にある唯一の代理店まで足を運びます。
「説明を聞くなかで、無印良品の家は断熱もしっかりしていて、気密性も高いことを知りました。一番良かったのは、パッシブデザインを重視していることでした。」(一貴さん)
パッシブデザインとは、太陽の動きに合わせて家の向きや軒の長さを計算し、夏は日差しを遮り、冬は太陽光を取り入れる設計のこと。大がかりな設備に頼らず、自然の力をそのまま暮らしに取り込む思想に惹かれたといいます。
契約間近だった工務店を断り、無印良品の家の中でも「木の家」を選択。松本への移住から約2年後の今年5月、将来夫婦ふたりになっても心地よく暮らせる、吹き抜けのある二階建ての住まいが完成しました
暮らしが始まってからも、外が暑い日や寒い日でも室内は快適。大きな窓から入る光で、日中は照明いらず。開け放てば風が通り抜け、家全体にやわらかな空気が巡ります。
仕切りを最小限にしたことで空気の流れがスムーズになり、エアコン1台でも快適に過ごせるのだとか。
「一年がかりで探したこの土地は、なにより景色が気に入っています。窓の外に広がる麦畑、遠くに見える山々が、日々の暮らしを豊かにしてくれます。」(明菜さん)
朝のカーテンを開けると、窓の外には田んぼや麦畑、そして遠くに北アルプスの山々。子どものころから山に囲まれて育った明菜さんにとって、その風景はどこか懐かしく、安心感を与えてくれるものです。ふわりと風が抜けると、季節の匂いまで運んできます。
現在、明菜さんはフルリモート勤務。家で過ごす時間が長いからこそ、暮らしと仕事が自然に溶け合う空間づくりを大切にしています。
「木の家」では、壁や間取りにしばられることなく、広々とした“一室空間”をつくることができ、大きな吹き抜けを中心に、家具や布などを使って、自由に間取りを変化させられます。
ひとつの大きな空間の中で、それぞれが心地よく過ごせる距離感を保ちながら、暮らしと仕事がバランスよく共存しています。
廊下の幅や天井の高さなどに共通の設計基準があるので、無印の家具や収納はもちろん、〈DRAW A LINE〉のような、インテリア性の高い「つっぱり棒」とも相性が抜群。
今回は、最大3mまで突っ張ることができる〈Tension Rod PRO〉を使って、暮らしの中にやわらかな仕切りを加えてみました。
ダイニングの横に設置した長男のデスク。普段はオープンなこのスペースも、〈14-23〉の布でゆるやかに仕切ることで、ちょっとした“おこもり空間”に。
〈TOSS〉のホワイトと〈MIZU〉を組み合わせ、この季節の爽やかさを感じるスタイリング。
from earthシリーズの〈MIZU〉は、水面のきらめきを思わせる軽やかなデザインで、風にそよぐたびに空間に涼やかな表情を添えてくれます。季節に合わせて色を選ぶことで、日常にさりげない変化と新鮮さをもたらします。
商品のラインナップに新たに加わったゴールドのディスプレイリングは、 ホワイトのつっぱり棒〈Tension Rod〉とも相性が良く、暮らしに馴染みます。
さらに、リビングとダイニングの間は〈Tension Rod PRO〉で大胆に仕切ります。
ネジや金具を使わずに取り付けられるので、誰でも手軽に取り入れることができ、間取りにしばられず、自由な空間づくりが楽しめます。
ホワイトの突っ張り棒が空間にすっと馴染むのに対して、ブラックはシンプルながらもしっかりと存在感があり、空間をきりっと引き締めてくれる効果も。
ダイニングやリビング、ワークスペースなどがひと続きになった空間は、布を使ってやさしく区切ることで、同じ場所にいながら、それぞれの時間を心地よく過ごすことができます。
爽やかなミントカラーで、涼しげな空間を演出するリビング。ほどよい透け感のある薄手の〈TOSS〉は、圧迫感を与えず、空間にそっと寄り添ってくれるので、間仕切りとしてもおすすめです。
もともと布で仕切る予定だったという、サニタリースペースの入り口には〈Tension Rod〉を設置し、from earthシリーズの〈SORA〉を合わせました。
繊細なグラデーションが魅力の〈SORA〉は、朝から夕暮れにかけて巡る光のなかで、時間にあわせて変わる表情を楽しめます。
つっぱり棒には、取り外しが簡単なクリップと組み合わせて、気分や季節にあわせて〈14-23〉を入れ替えられます。
石の自然な素材感と、繊細な光沢が美しいマグネットタッセル〈テラッゾ〉。布をサイドにまとめるだけでなく、下からたくし上げることで、布の質感が伝わり、空間にやわらかなニュアンスが加わります。
2階の寝室には、夫婦の洋服を収納するオープンクローゼットを設置。つっぱり棒の〈Tension Rod PRO〉と〈ディスプレイリング〉を使って、目隠しの布をかければ、ほどよく生活感が抑えられます。
布のやわらかな質感が加わることで、寝室全体がより落ち着いた、くつろぎやすい空間に。
埃がつくのを防いでくれるのはもちろん、開け閉めもスムーズで、出し入れのストレスもありません。
自然の美しい天然石を並べた〈ISHI〉は、大胆な柄ながらも、空間に心地よいアクセントを添えてくれます。目隠しの布として機能しながらも、アートのように楽しめる一枚です。
以前の平屋の家から使っていた〈14-23〉の布は、新たな住まいでもぴったりとはまったそう。厚手の布は1枚でも、しっかり視線を遮ってくれるので、窓辺のカーテンレールはシングルに。
「いわゆる普通の遮光カーテンは、分厚くて重い印象があったので苦手でしたが、〈14-23〉は軽やかに風を通しながら、日差しや視線もほどよく遮ってくれるので気に入っています。」(明菜さん)
〈14-23〉のカーテンとの出会いは、松本への移住が決まった直後のこと。「一枚の布がクリップで留めるだけで、どんな窓にもフィットするカーテンになることが感動でした。」
当初はまた引っ越すことを予定していたため、使い方を限定しないマルチクロスは、まさに理想の一枚だったそう。
いつもは厚手の〈Re.nen〉をかけるリビングの窓辺には、今回、from earthシリーズの〈KOMOREBI〉で変化をプラスしました。
窓の外に広がる自然を、室内にも持ち込むように、樹々の木漏れ日を感じる一枚です。
やわらかな光が差し込み、穏やかな時間が流れる窓辺。布ごしに見える庭には、植えたばかりの木々や草花が少しずつ根を張り、風に揺れています。
「庭には、ヤマボウシやジューンベリーの木をはじめ、多様な植物を植えてもらいました。樹々が成長して、外からの視線が気にならなくなったら、今回のような薄手の布で窓辺を軽やかに飾ってみるのもいいですね。変化する景色のなかで、インテリアの楽しみも少しずつ広がっていきそうです。」(明菜さん)
白と木を基調としたシンプルな空間には、布や家具だけでなく、家族それぞれの好きなものを飾って、自分たちらしい賑やかな家づくりを楽しんでいます。
「ミニマルな空間より、好きなものが溢れた暮らしが好き」という明菜さん。旅先で見つけたマグネットや、ぬいぐるみ、カラフルな古道具など、ちょっとした小物や雑貨が、暮らしのあちこちに散りばめられています。
キッチンは収納扉をあえて付けず、好きな器や小物を“見せる収納”としてレイアウト。少しずつ集める木のカトラリーも、餃子用のヘラやマドラーなど、用途ごとに使い分け、クラフトフェアなどで少しずつ集めてきました。
床の色は、一階と階段に明るいオーク、二階は落ち着いたワイルドチェリーを採用したそう。木のぬくもりに包まれた空間で、家族の「好き」が、少しずつ塗り重なっていく、賑やかな家づくりを楽しんでいます。
賑やかな小物づかいで、楽しく暮らしを飾る相澤家。まっさらな壁には、これから子どもたちの絵を迎えたいそう。
自身も絵を描くことを趣味にしている一貴さんは、自由な表現を楽しんでほしいと、子どもたちに壁への落書きも許しているのだとか。「汚れたらまた塗り直せばいいので」と、にこやかに話してくれました。
呼吸するように風をとりこみ、光が巡る。自然のリズムにあわせて、心地よく育っていく「木の家」。季節や子どもたちの成長にあわせて、少しずつ形を変えながら、住まいに彩りを重ねていきます。