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日本らしさを求めて。無理なく続ける、自然に寄り添う暮らし。

ある時は、光を取り込む窓辺に。
ある時は、食卓を華やかに彩るテーブルに。
ある時は、風合いの良さを肌で感じるベッドリネンに。

使う場所や⽤途によって、その布の表情はがらりと変わる。
さまざまな⼈びとの暮らしから、〈14-23〉がある⾵景をお届けします。

 

日本らしさを求めて。無理なく続ける、自然に寄り添う暮らし。

10年のアメリカ生活を経て、5年前より、家族と共に鎌倉の古民家で暮らしはじめた佐々貫名さん。古き良き日本の暮らしが根付くこの家に迎えるのは、視線を遮るための道具ではなく、アートのように生活を彩る布。1枚で多用な使い方が叶う〈14-23〉が、自然体の暮らしに心地よい変化をもたらします。

 

古き良き、日本の文化に立ち返る

「海外タンカーの船長をしていた父親や、アメリカに移住した親戚の影響で、子供の頃から外の世界との接点がありました。当時は日本での生活に息苦しさを感じていたこともあり、国内の広告スタジオで働いた後、アメリカでフォトグラファーとして独立すると、そのまま生活の拠点をニューヨークに移しました。」

結婚後、ひとり娘に恵まれ、家族写真専門のスタジオを設立しますが、2015年にご主人の仕事の都合で、10年ぶりに帰国。新天地での生活がはじまりました。

「アメリカでの生活を経て、なにより気付かされたのが、“生まれ育った日本のことを自分はなにも知らない”ということ。子供には、日本文化を感じる場所で育ってほしいと、主人の職場がある東京からほど近い、鎌倉に行き着きました。」

観光地の賑わいから少し離れた、閑静な別荘地で、佐々さん夫婦が出会ったのは、築50年の古い一軒家。庭を囲むようにコの字型に広がる家には、昔ながらの茶室や水屋が残っていました。

「はじめて家のなかを見学した時は、足の踏み場もないくらい荒れていて。部屋は細かく仕切られていて、光も届かず、薄暗い印象でした。暮らしやすいように改修した家では、窓を活かしてたっぷり採光を取り、広い間取りに変更。絨毯張りの床は裸足でも歩いて心地いい、杉材に張り替えました。」

ほどよい透け感が光を取り込む薄手の〈Ufufu〉は、障子とも似た機能を持ち、和室の雰囲気に違和感なく馴染みます。上下で透け感が異なる生地は、気分にあわせて向きを変えて使ってもいい。

 

アメリカで培ったDIY精神を家づくりに活かす

開け放した窓からは、初夏の風が家中を駆け巡ります。引っ越して5年経った今も、アメリカで培ったDIYの技術を生かし、床を直したり、足りない家具を自作したり、夫婦で少しずつ家づくりを進めています。

「アメリカにいた頃は、壊れたら自分で直すのが当たり前。街には古い家が多く、必要に迫られてDIY技術が磨かれていきました。結婚するまで金槌とノコギリくらいしか使ったことがなかった主人も、今では頼まなくてもテーブルや作業台など、手作りしてくれるので助かっています(笑)」

 

道具ではなく、アートとして持ち込む布

「家のデザインの大枠は主人が、家具の配置や色味のバランスなどは私が、という風に自然と役割が分かれています。シンプルなデザインが好きで、普段は無地のものを取り入れることが多いためか、つい空間が単調になりやすいんですよね」

昔ながらの古民家で暮らす佐々さん宅には、カーテンや仕切りに使う布は1枚もありません。自分だとなかなか選ばないという、柄物や明るいカラーの〈14-23〉を取り入れてみて、家の印象はどのように変わったのでしょう。

「1枚垂らすだけで、空間が広く感じられるので不思議。軽やかな布を取り入れることで、自分では作り出せない家の新たな一面を発見できてうれしいです。」

内と外を遮断する道具としての布ではなく、アートのように飾る布。木漏れ日を布に落とし込んだ〈KOMOREBI〉は、家の中に自然を持ち込むように、軽やかに風に揺れます。テーブルにかけるキャロットカラーの〈Re.nen〉との相性も抜群です。

 

捨てずに心地よく、使い続ける工夫

「日本ではあまり見ないですが、アメリカの家庭ではソファは布をかけて使うことが多いです。古いソファでも長く楽しむ工夫のひとつで、好きな布をかけて過ごしていました。」

自宅にはお気に入りの同じ布を数枚ストックし、ソファやテーブル、こどものマットとして、多様に活用していたそう。

「こういうシンプルな布は、いろんな場所で使えるのでいいですよね。新たな暮らしで、なかなかお気に入りの布が見つからず、探していたので、これからまた布がある暮らしを送ることができそうです。」

また、「循環するもの」を意識して生活に取り入れているという佐々さん。家に使う建具や小物は、葉山の古道具屋で購入したものが多い。

「近年、湘南エリアの大きなお屋敷が軒並み解体されていて、敷地を分割して新しい家が建ち始めています。古道具屋で見つけた建具のなかには、取り壊された近隣の民家から持ち寄られたものもあり、ご縁を感じました。状態もよく、新品にはない趣のある佇まいが、気に入っています。」

 

40歳からはじめた「甘くない和菓子」

帰国後、佐々さんは、長らく築いたフォトグラファーのキャリアを手放し、しばらく家づくりに専念していました。そして、「40歳になったら新しいことに挑戦したい」と考え、今年からお菓子作りの道へ。仕事と生活に共通するテーマは「無理なく続ける」ということ。

“いつもそばに花とフルーツのある暮らし”をテーマに営む菓子屋「花実」。白砂糖の代わりに、はちみつやドライフルーツ、メープルシロップなど自然な甘みを使った和のおやつを提案します。からだに優しいおやつをはじめる理由のなったひとつには、娘さんの持病がありました。

 

無理をやめて気づいた「そばにある幸せ」

「生まれた頃から娘は心臓の病気を抱えていて、お医者さんには虫歯にならないよう強くいわれていました。アメリカにいた頃から、白砂糖は避け、おやつにするのは、フルーツやナッツ。オーガニック食品や白砂糖なしのおやつも手軽に手に入る環境で、意外にも食べるものに困ったことはありませんでした。」

自身の食生活もベジタリアンやビーガンなど、無理をしながら健康を探っていた時期を経て、結局「おいしいものが一番」とたどり着いたのが日本食。アメリカにいながら、梅を漬けたり味噌を作ったり、おいしくてからだにも優しい、日本の食文化を楽しんでいました。

「日本に戻ったら、好きな日本食を存分に楽しめる。ヘルシーでおいしい生活が待っていると思っていました。」しかし、予想外にも、帰国後まず困ったのが食生活でした。

「スーパーへ行ってもあるのは既製品ばかりで、おやつも白砂糖入りが当たり前。何を食べたら安全で、からだに良いものなのか、わからなかったんです。悩みすぎて私自身が、新たに増えているという新型栄養失調という診断もされたこともありました。」

選択肢がないなかでも、「おいしくて、体にもやさしいおやつを、子供に思い切り食べさせてあげたい」という思いから、身近な和の素材を使ったお菓子作りをスタートしました。

「日本の四季折々のおやつと向き合ううち、季節の変化に応じて、からだに必要な素材が散りばめられていることに改めて気がつきました。おやつ作りを通して、昔から受け継がれてきた日々の知恵を、次世代に残していけたらと思っています」

日本の文化を、「食」と「暮らし」の両方から見つめ直すことで出会った「ありのままの美しさ」。家づくりも、おやつづくりも、まだはじまったばかり。無理なく自然に寄り添う日々が、これからの家族の歴史と共に、よりよい明日を築いていきます。

 

 

person / Kanna Sasa

edit & write / Arisa Kitamura

photo / Yuko Saito
日本らしさを求めて。無理なく続ける、自然に寄り添う暮らし。

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9,800円(税込10,780円)

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