パリの空気をまとった、猫と暮らす家。
ある時は、光を取り込む窓辺に。
ある時は、食卓を華やかに彩るテーブルに。
ある時は、風合いの良さを肌で感じるベッドリネンに。
使う場所や⽤途によって、その布の表情はがらりと変わる。
さまざまな⼈びとの暮らしから、〈14-23〉がある⾵景をお届けします。
都内まで電車で30分。都心からほど近い埼玉県・浦和の静かな住宅街で暮らす森川俊さん・友衣さんご夫婦。2年前、購入した中古マンションにて、3匹の猫と健やかな日々を送っています。猫と暮らすことを前提にリノベーションした住まいは、壁にステップを設け、床はやわらかなカーペット素材、人も猫も心地よく過ごせる工夫が散りばめられています。
どこかパリのアパルトマンのような雰囲気が漂う空間にあわせ、柄やカラーで遊び心を持たせた〈14-23〉を暮らしに迎えました。
結婚して3年目の2021年6月、森川さんご夫婦が新居に選んだのは、友衣さんの実家からほどちかい浦和エリアにある、築30年の中古マンションでした。
「もともとは新築マンションで探していました。予算が限られるなかで、出てくるのは細かく部屋を区切った3LDKばかり。リビングを広く使いたいという思いもあり、他の選択肢を探るうちに、0から自由に間取りを作り変えられるリノベーション会社・ゼロリノベさんに出会いました。」(俊さん)
間取りを自由に選べて、なおかつ新築よりコスト的にも抑えられることから、中古マンションのリノベを決意。閑静な住宅街で見つけた現在の住まいは、84平米と広さは申し分なく、管理も行き届いており、目の前には小さな公園もある。まさにおふたりの理想の家だったそう。
もともと3LDKだった間取りは、メインルームを大きくとった1LDKに変更。猫を迎えることを前提に設計し、壁には登り降りできるステップを設け、キッチンとリビングをゆるやかに区切る腰壁はキャットウォークとして活躍しています。
その可愛さから、保護猫の兄弟を三匹まとめてお迎えすることになったと話す森川さんご夫婦。右から、ぽんず、マヨ、七味。
「マンションの規約で水回り以外の床はカーペットの指定で、参考になる事例が少なかったことから、当初は不安でしたが、結果的に猫たちが思い切り走り回れる環境が整ってよかったです。」(友衣さん)
メインルームには白いカーペットをセレクトし、空間全体が明るく、開放的な印象に。猫が粗相をしても、実はタイル状なので汚れた部分だけ洗えて、手入れも簡単だそう。
「憧れていた無垢のフローリングにできなかった分、キッチンカウンターやテーブルには、木の温もりを感じられる素材を選びました。」(友衣さん)
ダイニングテーブルとチェアは、目黒通りのインテリアショップ〈Karf〉でセレクト。そこで、カーテンの相談をした時に紹介を受けたのが〈ieno textile〉でした。
「まず、1枚の布という既製品やオーダーカーテン以外の選択肢が新鮮でした。クリップで留めるスタイルは存在感があり、お値段もオーダーカーテンよりずっとお手頃。色や素材を自由に組み合わせて飾る窓辺で、自分たちらしい暮らしが叶いました。」(俊さん)
森川さんご夫婦がセレクトした〈14-23〉は、窓周りだけでなく、空間の仕切りにも活躍しています。
横長の間取りで、広々とした玄関。入り口右手に設けた収納スペースには、もともとキッチンの出窓に仕様していた〈Re.nen〉のグレーを最近掛け替えたそう。暮らしの中で行き来できるのも〈14-23〉の特徴。猫のトイレを置いていることから、行き来しやすいように、布はマグネットタッセル〈ムーブ〉で裾をたくし上げて短く調整。生活感を隠し、しっとりした雰囲気に。
メインの床はカーペットを採用しつつ、水回りはシックなタイルで統一。キッチンとサニタリールームを繋ぐ通路には、玄関と同じく〈Re.nen〉のグレーを取り入れました。こちらもマグネットタッセルで布をまとめ、空間を圧迫感なく仕切ります。
来客の際には、もちろん広げて使用することもでき、透け感のない厚手の布は、お着替えの時にも安心です。
ワークルームの入り口には、鮮やかな〈Re.nen〉のミントを扉代わりに迎えます。明るいカラーの布は、仕切りとして取り入れることで、自然に暮らしに馴染みます。
空間にカラーを足すことで、メリハリのある明るい空間を演出することできます。
「小物で色味を取り入れるのは好きですが、布で選ぶには大胆なカラーだと感じましたが、想像以上に暮らしに溶け込んでびっくりしました。空間にアクセントが生まれ、暮らしに可能性が広がりました。」(友衣さん)
ワークスペースの奥には、横長の間取りを活用した大容量のウォークインクローゼットが広がります。
「仕事柄、洋服を買うことが多く、前の家では洋服用の収納に一部屋を使っていました。収納スペースを気にせず、好きなものを集めることができて、ストレスも軽減しました。」(俊さん)
森川さんご夫婦が1日の大半を過ごすリビングは、植物や色とりどりの雑貨など、おふたりが好きなもので溢れています。
南西に位置する窓からは日中たっぷりの日差しが空間にそそぎます。大きな二つの窓には、それぞれ異なる布を飾ります。リビング側に現在は販売終了している〈JOY〉のブラックを迎え、ダイニング側には、〈Re.nen〉のナチュラルと〈BAUMKUCHEN VOILE〉のブラウンを組み合わせました。
並んだ二つの窓には、あえて別の布を取り入れることで、空間に軽やかな印象を与えます。また、ダイニング側に透け感のある布を取り入れることで、ほどよい日差しが、キッチンにも心地よく届き、食事の時間を明るくします。
一般的には、レースと呼ばれる薄手を窓側にしますが、軽やかで透け感がある〈BAUMKUCHEN VOILE〉を部屋側に掛けて、いわゆるフロントレースにすることで、昼夜いつでも柄を楽しめます。
秋の日差しが差し込む午後。床に映る、ゆらめく影すら美しい。
さらにダイニングには、〈TOSS〉のイエローを使ったランプシェードを迎え、食卓を華やかに演出します。空間のアクセントカラーとしてもおすすめです。
ダイニングテーブルの隣にある出窓には、友衣さんが熱心に育てるグリーンが伸び伸びと光を浴びています。その後ろにはグリーンとの相性がいい、薄手の〈TOSS〉のグレーがかかります。強い日差しをほどよく遮り、光を取り入れます。
「クリップは店頭でひとつひとつセレクトしたものなので思い出深いです。布の端切れを再利用した、唯一無二の組み合わせが気に入っています。」(友衣さん)
通路からの目隠しとして掛けるのは、新作の〈MERCI〉。パリの雰囲気をイメージした縦のラインが美しい布は、洗練されたナチュラルな色味と素朴なブラックの組み合わせが特徴です。(※ 2023年10月中旬販売開始予定)
ランダムな糸種を混ぜて織り、バランスよく視線と光を和らげます。パリのアパルトマンを彷彿とする森川さん宅にぴったりの一枚です。
リビングのソファにかけるのは、余った布を組み合わせた14-23 〈REMAKE TEX〉。クッションとの組み合わせで、暮らしに遊び心を持ち込みます。
「窓周りや仕切りに使っていますが、ソファやベッドまわりなどにかけても気軽に模様替えを楽しめていいですね。カーテンと同じ布をソファやベッドまわりに使う発想がなかったので、新鮮でした。やわらかく質のいい布は、直接肌に触れる場所にかけても、心地よく過ごせそうです。」(友衣さん)
窓やオープンクローゼットの3面に布を使用した寝室は、穏やかで心安らぐ空間づくりが印象的。
腰高窓には、天然素材のシルクノイル糸を使った〈KINU〉を。厚手の布で、しっかりプライバシーを守りつつ、朝日をやわらかく取り込みます。1サイズの〈14-23〉 ですが、横向きに掛けることで、小窓にもちょうどよく納まり馴染みます。
寝室のクローゼットには、ナチュラルな質感と色の〈THIME〉を活用しています。天井から布を垂らすことで、空間が高く感じられ、開放的な印象に。扉の代わりに布を使うことで、空間全体がやわらかく仕上がります。また、ほどよい透け感で生活感は隠しつつ、フルオープンにできるので、ものを取り出す時にもストレスフリー。
きらめく質感の〈THIME〉は、日中の光と、夜の照明で変わる表情のちがいも楽しめます。
「暮らしの布の模様替えで、いつもとちがう景色が広がり、新しい発見がいくつもありました。1枚で気軽にかけ替えられるので、服を着替えるように季節にあわせた空間づくりを楽しめそうです。」(俊さん)
紅葉する葉を眺めて心が穏やかになるように、旬の野菜で活力が沸くように、暮らしに四季を取り入れ、健やかな日々を。
14-23 BAUMKUCHEN VOILE (BR)
透けにくい自然な厚みの場所と良く透ける場所の特性を活かし、空間に解け込むテキスタイル。
8,800円(税込9,680円)
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