31

水辺に佇む、季節の移ろいを感じる家

打谷 真希子、アクシスナーフ・クラシック

ある時は、光を取り込む窓辺に。
ある時は、食卓を華やかに彩るテーブルに。
ある時は、風合いの良さを肌で感じるベッドリネンに。

使う場所や⽤途によって、その布の表情はがらりと変わる。
さまざまな⼈びとの暮らしから、〈14-23〉がある⾵景をお届けします。

 

水辺に佇む、季節の移ろいを感じる家

岡山市にあるインテリアショップ「axcis nalf ・AXCIS CLASSIC」を運営する、打谷真希子さんが長年憧れていた水辺での暮らしを叶えたのは、2016年のこと。理想を詰め込んだ住まいは、家にいながら、自然の景色を感じられる家。

四季折々の風景を映す窓辺には、〈14-23〉が軽やかに揺れ、暮らしの内と外をゆるやかに繋ぎます。

 

2つの憧れを叶える土地との出会い

「夫と2人で好きな飲食店まで徒歩や自転車で移動できることを理想の暮らしのひとつにしていたのと、また私自身、水辺で暮らすことに憧れを持っていました。ある時、その両方が叶えられる土地と出会い、購入を即決。思いがけず家を建てることになりました。」

打谷 真希子、アクシスナーフ・クラシックマネージャ、岡山暮らし

戸建ての賃貸を、夫婦でDIYしながら暮らしていたという打谷さん。この土地と出会うまで、とくに引っ越しは考えてはいなかったそう。目の前には川が流れ、その向こう岸には、日本三名園の一つ「岡山後楽園」が望める贅沢な立地。ふたりの気持ちを駆り立てたのも納得の美しい景色が広がります。

岡山後楽園、岡山、axcis naif、AXCIS CLASSIC

「春には毎年、桜並木が見渡せます。我が家に庭はありませんが、窓の向こうに森のように広がる後楽園が、四季の移ろいを楽しませてくれます。」

2階と3階それぞれにある、庭園を望む大きな窓からは、キッチンに立っている時、家族で食卓を囲む時、書斎で作業している時も、外の景色を眺めることができます。

岡山、axcis naif、AXCIS CLASSIC

「朝起きた時、家を出る時、夜くつろいでいる時にも、空の色や太陽や月の動き、木々の変化を楽しめることはとても幸せに感じています。」

 

曖昧な境界で、内と外を緩やかにつなぐ

屋内外の境界が緩やかで、家の中から外の景色や季節の移り変わりを感じられることをテーマに進めた家づくり。2階のテラスには、ダイニングテーブルを置き、特別な日に限らず、家族で食事をするのが日常になっているのだとか。

ieno textile、TOSSミント、14-23、玄関カーテン

「3階建ての住まいの1階は母の別宅になっていて、2階と3階が私と夫、子どもふたりの生活スペースです。外階段から2階に上がった先に、テラスと玄関が併設されていて、リビングとダイニングキッチンにつながっています。」

岡山暮らし、打谷 真希子、階段、ストーブ

内と外をつなぐ、展望を楽しむ窓だけでなく、暮らしの内側にもちいさな窓を設けています。3階にある書斎と寝室をつなぐこの窓は、2つの理由から設けられました。

ieno textile、室内窓、本棚インテリア、岡山暮らし、打谷 真希子

「ひとつは、薪ストーブの暖かい空気が寝室まで届きやすいように。もうひとつは、家族が別の部屋にいても暮らしている空気感がわかるように窓をつくりました。」

 

幼少期からそばにあったアンティーク

「小さい時から雑貨やインテリアはすごく身近な存在でした」と、語る打谷さんの背景には、雑貨メーカーを経営する父親の存在がありました。

インテリア小物、雑貨

「古いものが好きな父は、家族で海外旅行へいけば必ずアンティークショップに長居するような人でした。育った家にも当たり前にアンティークがあって、私自身も自然に古いものに惹かれていきました。」

打谷 真希子、アクシスナーフ・クラシックマネージャ

とくに、空間ごとにシーンを演出する照明は、古いものと新しいものと織り交ぜて楽しんでいるそう。「電気のスイッチも暮らしの中で頻繁に触る部分なので、小さな喜びになるようお気に入りを選んでいます。」

照明

 

温もりを感じる素材が織りなす空間

「新築の家づくりは初めてですが、以前の家では、賃貸ながら自由な物件で、自分たちで畳をフローリングに替え、壁に漆喰を塗り、扉を替えたり、いろいろと試せる機会がありました。自分たちの好きなものをとことん探った経験が、新居を作っていく上でも役立ちました。」

打谷 真希子、アクシスナーフ・クラシックマネージャ、岡山暮らし

木材や漆喰など、温かみを感じられる天然素材をできるだけ使いながら、シンプルで心地いい空間を手がけています。アクセントになる絵画や器は、夫婦で選ぶことも多いそう。生活や環境の変化にあわせ、お気に入りをアップデートしながら、現在の暮らしにつながっています。

お皿、カップ

インテリアを仕事にし、迷いなく好みのアイテムを自らの暮らしに取り入れていくなかで、唯一、打谷さんの頭を悩ませたのが「カーテン」でした。

14-23 メルシー、玄関カーテン

 

気軽に楽しむ、窓辺のインテリア

「もともと寝室で使っていたカーテンは、たまたま雑誌で見かけたブランドで、東京のショールームまで行き、窓のサイズにあわせてオーダーメイドで作ってもらったもの。ほかのインテリアとはちがい、知識や情報がなく、納得がいくものを選ぶまでに時間と労力がかかりました。」

ieno textile、LA、寝室カーテン

しかし、試行錯誤の末選んだカーテンは、小さな子どもたちとの生活の中で破れてしまいました。新しいものを探すのも腰が重く、そのまま一年が経過した頃、オーナーを務める店舗で、取り扱いが決まったのが〈14-23〉でした。

打谷 真希子、アクシスナーフ・クラシックマネージャ、岡山暮らし、カーテン

「暮らしの布として使えるマルチクロスは、店舗でも好評でした。コンセプトやシンプルなデザインに惹かれ、ちょうど探していた寝室の新たなカーテンとして迎えてみることにしました。」

選んだのは、L字の窓辺に合わせ、カスタムメイドでつくる〈LA〉のオフホワイト。「しっとりした質感が寝室に合うと選んだ1枚。サイズと生地を選ぶだけで仕上がり、想像以上に簡単でした。」

ieno textile、LA、寝室カーテン

軽やかで落ち着きのある空間をイメージしたカラーは、明るく清潔感のある寝室を演出します。ペットボトルからつくる厚手のリサイクル生地で、視界を遮りながらも、朝日が心地よく届きます。

ieno textile、14-23 マルチクロス、バームクーヘンボイル

寝室の入り口に、扉の代わりに透け感のある〈BAUMKUCHEN VOILE〉のナチュラルを間仕切りとして迎えることで、開放感を保ちつつ、緩やかにプライベート空間を仕切ることができます。

打谷 真希子、アクシスナーフ・クラシックマネージャ、岡山暮らし、カーテン

2種類の糸でストライプ柄を描くシンプルな布は、どんな空間にも自然と馴染みます。

14-23 マルチクロス、ieno textile、打谷 真希子、中川正子、岡山暮らし

リビングから外の景色を楽しむ、大きな窓には、14-23の新作〈SEIRO〉を3枚並べてクリップで留めただけの簡単アレンジで、気軽に模様替えを。

14-23 マルチクロス、ieno textile、SEIRO

蒸篭をイメージした独特なパターンは、シンプルなリズムを生み、空間に美しい奥行きをつくります。

自然な色合いや適度な光沢感を持ち、ほどよく外からの視線を遮りながら、光や風を暮らしに呼び込みます。

14-23 マルチクロス、ieno textile、SEIRO、カーテン

「普段使っているものもそうですが、この大きさの窓にはオーダーカーテンしか選択肢がないと思っていました。今回、3枚の布を掛けるだけで、気軽に模様替えができて感動しました。
布の切り替わりがわからないくらい自然で、片開きで使っても違和感がありません。外の景色を感じながら、光の加減で布の柄も楽しめるのもいいですね。」

 

空間のアクセントに春のカラーを迎える

2階のテラスからキッチンへと続く開放的な玄関には、軽やかで透け感のある〈TOSS〉のミントで、さわやかに空間をアレンジ。

ieno textile、TOSSミント、14-23、玄関カーテン

2階のリビングダイニングは外と緩やかにつながるオープンな空間。室内にいながら、四季を楽しみたいということから、外の様子がうかがえる薄手の布をセレクトしました。

ieno textile、TOSSミント、14-23、玄関カーテン

ミントのカラーは、漆喰の白壁や、木の温もり、コンクリートの質感とも合わせやすく、家族で集う食卓に華やかな彩りを与えてくれます。

「この優しいミントのカラーは空間に溶け込み、やわらかい光を透かしてくれるのですごく綺麗です。」

ieno textile、TOSS、14-23、間仕切り

季節や気分にあわせてカラーを取り入れてみると、住まいに新たな一面が生まれます。今回は、子ども部屋の間仕切りとしても2種類の〈TOSS〉を迎えました。

娘さんの部屋の入り口には、春らしい〈TOSS〉のピーチが掛かります。

14-23 マルチクロス、TOSS ピーチ、部屋の間仕切り布

打谷 真希子、アクシスナーフ・クラシックマネージャ、岡山暮らし、カーテン

ホワイトを基調とした空間に合わせると優しくカジュアルな印象に。逆にブラックを合わせるとシャープでモダンな印象に変化します。組み合わせる色によって好みのスタイルを演出できる、空間に取り入れやすいカラーです。

14-23 マルチクロス、TOSS イエロー、部屋の間仕切り布

息子さん側の入り口には、〈TOSS〉のイエローを。

窓辺だと躊躇してしまう大胆なカラーも、間仕切りであれば挑戦しやすく、1枚で活用できるので、空間のアクセントとしておすすめです。

打谷 真希子、14-23 マルチクロス、TOSS ピーチ、部屋の間仕切り布

「空間の境界に布を掛けるだけで、我が家がこんなに明るく、生き生きした印象になるなんて驚きました。部屋に好きなカラーが入ることで、こどもにも大好評でした。気分で掛け替えて、家族でインテリアが楽しめそうです。」

 

何気ない日常を飾る、暮らしの布

「布は好きだけど、暮らしに取り入れるのは実はあまり得意ではありませんでした。」と、打谷さんは話します。

14-23 マルチクロス、TOSS イエロー、部屋の間仕切り布

「カーテンは家の表情を決める重要な存在だとわかっていても、コースターのようなちいさな布製品とは違って、選びづらい存在でした。〈14-23〉を実際に試すうちに、カーテンやテーブルクロスを、日常的に模様替えしながらラフに楽しむということが、ようやく腑に落ちました。」

布に対してハードルの高さを感じていながら、窓周りにはブラインドではなく、カーテン一択だったそう。

打谷 真希子、14-23 マルチクロス、寝室のカーテン

「内と外をつなぐというテーマから、光を遮断してしまうブラインドが苦手で、外の風景や、中にいる人の気配が見えるカーテンにしようと決めていました。」

夜、外にぼんやりと漏れる暮らしの灯りに、どこか温もりを感じるのだといいます。

ieno textile、TOSSミント、14-23、玄関カーテン

 

触れるたび、思い出す記憶と共に

住まいには好きなものを取り入れたいという打谷さんは、家具だけでなく、いろんな場所で出会ったモノを空間づくりに活かしています。

「旅先で出会った器や、個展で購入したアート、蚤の市で見つけた古道具など、日常的に触れるものにこそお気に入りのものを取り入れることで、選んだ時の楽しい思い出も、手に取るたびに思い出せます。」

14-23 マルチクロス、ieno textile、SEIRO

家族で寛ぐソファから、小さなカップにいたるまで、お気に入りのアイテムが散りばめられた空間。今回、〈14-23〉を暮らしに迎えてみて、暮らしの布もそのひとつになったそう。

打谷 真希子、14-23 マルチクロス、TOSS ピーチ、部屋の間仕切り布

「コップや椅子みたいに、暮らしのなかでお気に入りのアイテムがひとつ増えました。布が視界に入る度に、心がふわっと温かくなります。」

窓から差し込む光。美しい朝焼け。心を癒す暮らしの道具。日常のそばにある小さな幸せが、心地いい時間を紡いでいく。

 

 

person / Makiko Uchitani

edit & write / Arisa Kitamura

photo / Masako Nakagawa 
水辺に佇む、季節の移ろいを感じる家

14-23 LA (OWT)

ふっくらと肌触りの良い厚手のテキスタイル。

※ カスタムメイドをご希望の場合「要相談」

9,800円(税込10,780円)

ONLINE SHOP
水辺に佇む、季節の移ろいを感じる家

14-23 BAUMKUCHEN VOILE (NL)

透けにくい自然な厚みの場所と良く透ける場所の特性を活かし、空間に解け込むテキスタイル。

8,800円(税込9,680円)

ONLINE SHOP
水辺に佇む、季節の移ろいを感じる家

14-23 TOSS (MNT)

リネンとポリエステルの糸をバランスよく混ぜ合わせ、軽くて心地よい光を取り込むしなやかなテキスタイル。

10,800円(税込11,880円)

ONLINE SHOP
水辺に佇む、季節の移ろいを感じる家

14-23 SEIRO

自然な色合いや適度な光沢感、光や風を取り入れるテキスタイル。

12,800円(税込14,080円)

ONLINE SHOP
水辺に佇む、季節の移ろいを感じる家

14-23 TOSS (YE/PEH)

10,800円(税込11,880円)

ONLINE SHOP