働く街が変わっても、変わらない夫婦の居場所を。

ある時は、光を取り込む窓辺に。
ある時は、食卓を華やかに彩るテーブルに。
ある時は、風合いの良さを肌で感じるベッドリネンに。
使う場所や⽤途によって、その布の表情はがらりと変わる。
さまざまな⼈びとの暮らしから、〈14-23〉がある⾵景をお届けします。

どこで働くことになっても、週末には帰れる家がある——そんな暮らし方を選んだのが、松本淳さん、礼子さんご夫妻です。5度の転勤を経て、仮住まいではなく、オンとオフが静かに切り替わる居場所を築きました。
将来の夫の単身赴任を見据え、都内に拠点を構え、築53年の中古マンションをリノベーション。60平米のワンルームには、お気に入りの古家具や古道具が散りばめられています。長い時間を経てきたものたちと、真新しい〈14-23〉の布が並んで呼吸をする、夫婦の”ベースキャンプ”を訪ねました。

淳さんは転勤の多い仕事柄、これまで18年にわたって全国を渡り歩いてきたそう。結婚後は、礼子さんが赴任先についていく形で、新たな土地で暮らしはじめるたび、ゼロから職をさがすような生活が続いていました。
都内に戻ってきたタイミングで、礼子さんも安定した仕事に就職。今後も全国転勤があり得るなかで、夫婦が出した結論は、仮住まいを卒業し、都内に拠点となる住まい(ベースキャンプ)を構えるというものでした。

選んだのは、板橋区にある中古マンション。二人とも埼玉出身で、実家に帰りやすいことも決め手のひとつでした。「今後、転勤になった時には僕が単身赴任し、週末を一緒に過ごす生活にシフトしていく予定です。」と、淳さんは話します。

物件探しでは、リノベーションを依頼した〈ゼロリノベ〉のプランナーが同行。修繕計画や管理状況まで細かく調べてくれるプロの目は、購入する上で大きな安心材料に。「暮らしやすさは、築年数に比例しないと学びました。」と、淳さんは振り返ります。
最終的に選んだ現在の住まいは、築53年と古い物件ながら、共用部分まで行き届いた管理の良さを日々感じているそうです。

もともと4部屋あった間取りは、洗面所・トイレ・浴室以外の壁をすべて取り払い、ひとつの大きなワンルームへと生まれ変わりました。

設計士に伝えたのは「大きな空間がひとつ欲しい」ということと、「古いものと新しいものがうまく共存できる空間にしたい」ということだけ。細かい部屋割りの要望は、あえて口にしなかったといいます。

唯一つくった壁が、ベッドサイドに立つモルタルの腰壁です。空間を遮らないよう、上部を空けたまま仕立てられたこの壁は、寝室としてのゆるやかな境界線。設計の段階から「猫を飼いたい」と伝えていたこともあり、キャットウォークとしても使えるようにという配慮も込められているそうです。

もうひとつ、この部屋の象徴となっているのが、大容量の本棚兼ベンチ。本好きの礼子さんのために設計士が提案したもので、これまで転勤続きの仮住まいでは、本棚から溢れた大量の蔵書は、段ボールで保管せざるを得ませんでした。

「これでも引っ越しを機にかなり少なくした」という蔵書もようやく棚に収まり、日の当たる窓辺のベンチとして、読書の時間を静かに支えています。

窓には、玄関まで途切れることなく続くカーテンレールが、部屋の輪郭をなぞるように、ゆるやかな弧を描いて渡されています。壁を持たない空間だからこそ選ばれた、まっすぐではないこの一本のレール。
照明の役割も担い、リビングにはペンダントライトをつけず、レールから灯る落ち着いた明かりのみで、夜も快適に過ごせるそう。

そこに吊るされた〈14-23〉の布は、好きな場所に動かすことができます。壁のないこの部屋に、やわらかな仕切りをもたらす存在として、シーンごとに軽やかに生活を彩ります。

リビング・ダイニングスペースは、窓辺に設置されたブラインドが調光を担ってくれるので、レールには空間をゆるやかに仕切る、ほどよい透け感の〈TOSS〉のホワイトをお迎え。

ホワイトは、窓辺から差し込む自然光をやさしく広げ、明るく過ごしやすい空間へと整えます。

〈TOSS〉のうっすらとシルエットが映る透け感は、開放感を保ちながら、安心感のある空間づくりを叶えます。同じ場所で過ごす時でも、〈14-23〉をさっと広げるだけで、それぞれの時間を心地いいものに。

入り口には、同じレールに〈TOSS〉のグレーがかかります。帰宅して最初に迎える、モダンで軽やかな布。玄関からリビングまで、視線を遮ることなく開放的な空間が続きます。

寝室スペースには、やわらかな肌触りとナチュラルな色味の〈KINU〉を。天然素材のシルクとリネンを織り交ぜた、優しい風合いが特徴です。

光を穏やかに取り込み、朝はやわらかな明るさに包まれます。ほどよい厚みが外からの視線をやわらげ、夜も安心してゆっくりと過ごせる空間に。

玄関から入って左手にあるのは、〈Re.nen〉のミント。サニタリールームへ続く扉の代わりに、厚手の布がかかります。
布越しに中の様子は見えないので、プライベートな空間を守りたい場所に取り入れると、安心して過ごせます。

カーテンレールがない場所でも、突っ張り棒に〈ディスプレイリング〉をかけることで、簡単に〈14-23〉を取り入れることができます。
真鍮の照明とも相性よくなじむ、穏やかで明るいカラーが、帰宅時に気持ちがゆるむ、やわらかな入口をつくります。

「カーテンっていうよりは、本当に“1枚の布”だと感じました。この布で空間がこんなに変わるのかって思うのは、今でも新鮮に感じてます。猫が布に戯れて遊ぶ姿も愛おしく、仕切りを布にして正解でした。」と、松本さん。

「物心ついた頃から、古いものが好きでした。」という淳さん。夏休みやお正月に、大阪の古い家に暮らしていた祖父母の家へ訪れるたび、古いものたちへの憧れが強くなっていったそう。

壁にかかるセイコー製の壁掛け時計も、都内の古道具屋で見つけた一台。うまく動かなかったものを、専門の業者に直してもらいながら使い続けています。

引っ越しを機に迎えたのは、憧れの家具のひとつだった水屋箪笥。本来の用途である食器の収納に使いながら、調理の作業台としても活用しているそう。
隣に並ぶインドネシア産チーク材のダイニングテーブルは、もともと船の甲板に使われるほど硬く丈夫な木材で作られたといいます。

キッチンの下の収納には、お茶を扱う専門店で見つけた茶箱を。もともとは茶葉を直に入れるためのもので、内側にはトタンが貼られているのだとか。新しいものながら、美しい木目は古い道具のなかでも見栄えよく、今は食材や調味料の収納として活躍しています。

ほかにも、少しずつ集めてきた古物や器は、今もこの部屋の随所に息づいています。
たとえば、岡山のノッティングは、都内で3年に一度しか開かれない大規模な販売会で選んだ二枚。

生活にそっと潜むオブジェのような陶器は、鎌倉で見つけた沖縄の厨子甕(ずしがめ)。もとは分骨用の小さな骨壺で、琉球の風葬の風習にまつわるものだそうです。

同じく古いものが好きだという礼子さんが実家から持ち込んだデスクも、子どもの頃からずっと使い続けている愛着のあるアイテムです。ベッドサイドに置いて、布で仕切ればちょっとした書斎のよう。

ベースキャンプを持つことで、これまでと家具や本の持ち方も変わりましたが、なにより家族が増えたことが、二人にとって大きな変化でした。

今の住まいに引っ越してきたのが今年の2月、保護猫を迎えたのは、暮らしが落ち着いてきた6月のこと。「猫と一緒に暮らしたい」という夢は、これまでの仮住まいの暮らしでは叶いませんでしたが、今では本棚の上でうたた寝をする姿がすっかり日常の風景になりました。

週末は家で料理をしたり、ベンチで読書をしたり。ワンルームのなかで、それぞれが好きな居場所を行き来しています。「時間はゆっくりなのに、暇だと感じなくなりました。」と話す淳さん。転勤続きだったこれまでの日々からは、想像もつかなかった変化かもしれません。

働く街がどれだけ変わっても、帰る場所は変わらない。古い家具や雑貨など、愛着のあるものに囲まれたベースキャンプに築く、夫婦の新しい日々。その足もとを、愛猫が今日も気ままに駆け抜けていきます。
14-23 KINU (NL/MYE)
天然素材のシルクとリネンが生む、肌に優しい自然な風合い。やわらかな質感と豊かな表情で、窓まわりにも寝室にもやさしく馴染む布。
12,800円(税込14,080円)
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14-23 Re.nen (MNT)
環境にやさしく質感の良い丈夫な厚手のリネン。やわらかさと耐久性を兼ね備え、日々の暮らしに長く寄り添う布。
10,800円(税込11,880円)
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